現在、主流となっているジェルネイル。どんな基準で選んでいますか?
【ジェルネイルは持ちがよければ良い商品なのか?】
【ジェルネイル自体がどんな物で、どんな成分が含まれているか?】
どんな成分であっても、とにかく長持ちすればよいという考えの方もいるかと思います。
多くのメーカーでは、細かい成分表を公開していません。何が含まれているのかは、自分で情報収集し商品を選ぶ必要があります。
身体に身に付けるものを、その色やデザインだけのオシャレだけで選ぶのではなく、どんな物なのかを知っておく事で使い方や選び方にも変化が出てきます。
科学者レベルで知る必要はありませんが、たまには成分を調べてみるのも面白いものですよ。
目次
「ジェル」の成分とは?
ジェルネイルは美容関連って言っても、結局は化学物質の「アクリル樹脂」が主な成分です。
このアクリル樹脂は、トロトロしていて粘液状の合成樹脂の一つです。
他のジェルの主要な成分は以下のようなものです。
- メタクリル酸エチル
- ジメタクリル酸トリエチレングリコール
- メタクリル酸イソボルニル
- ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
- ベンゾイルイソプロパノール
- メタクリル酸エステルモノマー
- アクリル酸オリゴマー
- ポリウレタンアクリルレートオリゴマー
- メタクリル酸ヒドロキシプロピルエステル
- 1-ピドロキシシクロヘキシルフェニルケルトン
ジェル商品の成分や特徴、使用方法はメーカー、ブランド、商品によって異なります。
ジェルネイルの細かい成分について各社で公開はされていません。
公開しないのは危険だから・・?と思ってしまうのは、私だけでしょうか。
●イソプロパノール●
アセトン合成の中間原料として使われています。
エタノールと比べて安価で、殺菌性が強いので消毒等、除光液としても使われています。
●酢酸エチル●
シンナー、ラッカーのような塗料の溶剤として広く使われています。
ジェルネイル、マニキュアの除光液としても使われます。
●ウレタンアクリレート●
アクリル樹脂系接着剤で、紫外線の照射によって硬化する成分です。
●HEMA●
ほとんどのジェルには、アレルギーの大きな原因のひとつと言われる「HEMA」が含まれています。
HEMAとは
2-Hedroxyethyl methacrylate
2-ヒドロキシエチルメタクリエート
アクリル酸モノマーの1種で、この成分はアレルギーを誘発する性質を持っていて遅延型のアレルギーを起こしやすいそうです。
よくジェルには酸が入っていると言われているのですが、もともとこのHEMAを作る原料が酸なのです。
●メタクリル酸2-ヒドロキシエチル●
塗料、コンタクトレンズに使われたりする。日光や熱で重合。皮膚や粘膜を刺激する物質。
●ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン●
樹脂との相性がよいことから、コーティング剤としてよく使われる。ジェルネイルのコーティング用。毒性、有害性についての報告は見つけられなかった。
●アクリル酸エステル●
昔から身の回りによく使われていて、絵の具、接着剤の原料となっている。合成樹脂の原料としてもつかわれる。
危険なジェルと安全なジェルの成分
硬化前のジェルは100%化学物質
硬化前のジェルは100%化学物質でできています。ということは、100%アレルギー物質ということになります。
ジェルネイルアレルギーは、指にアレルギー物質が接触することで起こるアレルギーです。
医学的には「接触性皮膚炎」という、何らかの物質が皮膚に接触したことで発症した、 急性の皮膚疾患です。
なので、固める前のジェルは、手につかないように気を付けてくださいね。
成分表が明らかになっており、それなりの知識があれば、健康に対する被害も少ないとは思います。
硬化後にアレルギー物質ではなくなるジェルがある
硬化後はアレルギー物質のままのメーカーと、アレルギー物質ではなくなるメーカーがあります。
- 「HEMA」
- 「アクリル酸」
- 「ベンゾフェノン―3」
おもにこの3つの物質がジェルネイルアレルギーを引き起こす原因とされています。
ジェルネイル用品の成分を見ると分かりますがこの中でも「HEMA」という物質は多くのジェルネイルに含まれています。
ほとんどのジェルはHEMAの成分が大方入っていますが、ジェルを作る段階で重合(小さな分子と分子を結合させて大きくする事。すなわち高分子)させるとHEMAはウレタンアクリレートというものになります。
なのでHEMA自体は残るのはおよそ10%~20%のジェルが多い様です。
HEMA完全フリーのベースジェル
楽天やAmazonで販売されている激安のジェル
楽天やAmazonでも安いノンサンディングジェルがランキングに食い込んでいます。
安いジェルは手が届き易いという反面、安易に扱ってしまいジェルアレルギーを起こしてしまう方が増えました。
特に、品質の悪いジェルは、おすすめできません。
アレルギーというのは人の体の限界を超えた症状ですので、軽く考えるのはやめましょう。
化学物質ですからこういうお勉強も大切ですよ。
化粧品登録さていないジェル
されているメーカーのジェルであれば、体に良いものではないにしろ、害があるほどの成分が入っていることはありません。
そういったジェルは薬事法上、化粧品と同じ扱いになります。
認可の下りている正規ジェルなら成分の明確性や安定性などクリアしているからこその認可ですが、無認可ジェルは原産国によっては「何がどれだけ混入されているかわからない」という闇鍋的なジェルまで存在しますので、余計に危険だけではなく恐怖まで付いてきます。
化粧品登録されているジェルについては、以下の記事でまとめています。
ジェルネイルには強酸性と弱酸性がある
酸は一部を除いてすべてのジェルに入っています。
ジェルは酸により密着するので、酸が入っていないジェルは持ちが悪くなってしまうからです。
酸性が強いジェルを継続的に使用すると爪痩せの原因となり、さらには爪を産生する「爪母基(そうぼき)」にダメージを与え、デコボコの爪しか生えなくなってしまいます。
しかし、酸が強いという事は悪いだけではなく、殺菌効果などもあるため一概に強酸性・弱酸性の良し悪しは比較しにくいです。
ノンサンディングジェルには、強い成分【酸】が含まれている
ノンサンディングジェルは傷をつけなくても良い代わりに、爪に定着しやすくなるために、自爪の表面を溶かす成分(酸)が入っている事があります。
パラジェル以外のサンディング不要の多くのジェルネイルは強い酸性、いわゆる強酸性です。
酸性がとても強く、モチが良いとされているジェルは酸性に偏っているか、酸が多く入っています。
爪を削らなくて爪に優しいはずなのに、デメリットとして酸が入っていて、結局は爪に良くないじゃん!と思われる方もいるようです。
ネイル用品のアルコール成分はアレルギーの原因の一つ
アセトン
マニキュアをはじめジェルネイルの除光液としても用いられる事が多いです。
脱脂性がつよく、使いすぎによる爪を劣化させることはよく知られています。
経口、吸引には注意で、火気厳禁です。
もともと人体で生成される物質であるほか、欧米の研究ではアセトンはほとんど人体に害がないことが報告されています。
発がん性物質、慢性神経毒作用もないとされています。
一般的にはネイルの除光液、スプレー、化粧品、他、加工食品にも広く使われています。
エタノール
小学校の理科の授業でも使われているので知らない人はいないかもしれない、アルコールの一種です。
揮発性があるので使うと乾燥します。
殺菌、消毒によく使われています。
全員にアレルギーが出るわけではない
体質には個人差があるので、アレルギー反応が出てしまう方も稀にいます。
月に一度ジェルネイルをしていて、今まで何も異常がない方はあまり心配しなくても大丈夫です。
ただ、これからも問題なく使えるとは限りません。アレルギーは突然発症していまいます。
「ジェル」が硬化する成分
上記で紹介した、これらの成分だけではジェルネイルとして使う事が出来ません。
どちらにも必ず混ぜなければならない物があります。
それは、フォトイニシエーター(光重合開始剤)です。
この成分は、光を当てるとジェルが固まる性質があります。紫外線などの特定の光を当てる事で物質を変化させるものです。
この「光を当てるとジェルが固まる成分」は、光重合開始剤(硬化剤)と呼ばれ、光を吸収して硬化します。
ジェルネイルの成分は、レジンと同じ?
よく、ジェルネイルはUVレジンからできているのですか?
手芸用のUVレジンをジェルネイルとして使用することはできますか?
というような質問を見かけます。
光硬化樹脂という点は同じですが、成分や配合は異なります。
ジェルネイルは人体用として考えられて作られていますが、クラフト用のレジンは使用目的が異なりますので、爪に使うのは絶対にやめしょう。
ヤケドやアレルギーや剥離等の危険を高めてしまいます
100均のマニキュアは危険!?
安価で手に入るマニキュアには、ホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれている事実がありました。
ハードジェルとソークオフジェルの違いは成分
大きく分けて、ネイルに使用するジェルは、含まれている成分の違いによって「ソフトジェル」(ソークオフジェル)と「ハードジェル」2つの種類があります。
現在、ネイルサロン等で主流となっているのは、通気性も良く、爪に違和感を感じにくいソークオフジェルです。
ハードジェルとソークオフジェルの違いは、モノマーやオリゴマーの選択(分子量、反応点の数、分子構造)により硬化状態(強度、耐久性)を変化させることが出来ます。
ハードジェルとソークオフジェルはモノマー及びオリゴマーの配合による違いです。
ハードジェル
アクリルで主成されています。 分子の結合面が多く、硬く強い重合体(ポリマー)を作ります。その強い結合力がハードジェルの特徴として美しい光沢が持続しネイルテクニックにより長さやアーチロケーション(高さ、丸味)を出す事が出来ます。
一般的には溶剤では溶けないのでオフする時はファイリングをする必要があります。
ハードジェルの主成分は、アクリル樹脂。分かりやすく言うと、プラスチックです。アクリル樹脂にも色々な種類がありますが、水族館の大きな水槽に使われる程、透明感もあり水圧に耐えられる程の強度も持ち合わせている優れた素材です。その為、短い爪に使用し長さを出す、ジェルスカルプチュアにも使用されています。
ソークオフジェル(ソフトジェル)
ウレタンやPB(ポリビニール)で作られています。分子の結合面が少なく、結合力が弱まり柔軟性のある重合体(ポリマー)を作ります。その柔軟性を生かしナチュラルネイルにフィットしやすくポリッシュ感覚で違和感がありません。
次に、ソークオフジェル。この主成分はポリウレタンなどのウレタン樹脂です。アクリル樹脂に比べると強度が低いため、長さを出すスカルプチュアには向きませんが、代わりに柔軟性がありネイル施術後に爪に少し力を加えてみても、一緒に曲がる程の密着、接着性があります。分子レベルまで細かく見てみると、1つ1つの間に隙間があり、水や空気を通すため、爪にかかる負担を減らす事が出来ます。
国産ジェルの成分は安全で無害?
ジェルネイルに使われている、ウレタン樹脂やアクリル合成樹脂の成分は人体に影響のない無害の成分で作られているのでしょうか?
一概に無害とは言い切れないところがあります。
例えば、ジェルアレルギーの方はジェルを使うとかぶれやかゆみを伴い使用できない方もいます。
また、安易に知識のない人が行うと成分云々の前にファイルのし過ぎやアセトンのつかいすぎで爪を痛める人が大変多いです。
UVランプやプライマー、アセトンなどの影響は目にとまるのですが、自分が扱うものの事を良く知っておくのは大切ですね。
ヨーロッパ(EU)ではマニキュアに入っているトルエン、ホルムデハイドなど禁止されているものも、日本やアメリカではまだ使用されているものもあります。
一応アメリカの場合、FDIという検査機関を通さないと化粧品などは販売できないことにはなっていますが、安全性については正直グレーゾーンが多いです。
ちなみにウレタンなどは洋服の繊維などに入っている場合がありますし、アクリル樹脂は照明器具のカバー・看板などにも使われていて日用品に多く使われています。
特にソークジェルは日本でははやっていますが、ドイツやEU圏内ではアセトンの危険性も指摘され、ハードのほうが人気があります。
ただ、バイオジェルも人気があります。
まだまだ歴史が浅く、人体への影響についてはまだわからないと言うのが現実だと思います。
このような樹脂塗料のほとんどが有機溶剤が含まれています。
成分表が明らかになっており、それなりの知識があれば、健康に対する被害も少ないとは思いますが、現実的には難しいと思います。
一番良いのは国産品またはヨーロッパ製などのみを使用して、素性不明の安価なモノを尾を使用しない事に尽きると思います。
含まれる溶剤でアセトンや酢酸メチル、イソピロピルアルコール系の溶剤でしたら、大量に吸い込まない限り大丈夫だと思います。(もちろん換気は必要です)
特に健康や害などを考えられるなら、もしかしたらジェルの施術は頻繁にしないほうがいいかもしれません。
ただし、トルエンやキシレンは(国内ではナイとは思いますが、予測不可能のお国がありますので)大変危険な溶剤で人体への影響も確認されています。
通常使用時は防毒マスクを使用します。(それ位有害)
爪につける性質上、どうしても揮発分ガスを吸入している事は否めません。
一度の吸入量が微量であっても、全ての爪、及び使用頻度によっては無視できない量になる場合も予想されます。
使用時は換気を良くして、直接揮発成分を吸い込まないことです。